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正社員との待遇差の是正を求め契約社員らが全国の地裁に一斉提訴(2020/2/18)

「日本郵便の契約社員らが、同じ仕事をしているにもかかわらず正社員と待遇に差があるのは不当として、同社に差額分の住居手当などの支払いを求め、令和2年2月14日に、札幌、東京、大阪、広島、高知、福岡の地裁に一斉提訴した。」といった報道がありました。
 提訴したのは配達や郵便局内で勤務したことがある契約社員らで、さらに同月18日には長崎地裁でも提訴するということです。
 原告側によると、待遇差の是正を求めているのは、賞与のほか、住居手当、年末年始勤務手当、祝日手当、扶養手当など。
 労働契約が無期か有期かで不合理な待遇差を設けることを禁止している労働契約法20条に違反するとして、損害賠償を請求しています。
  特に、住居手当(住宅手当)、扶養手当(家族手当)の待遇差についても、不合理と訴えている点に注目です。
 過去の最高裁の判例をみると、平成30年6月1日判決のハマキョウレックス事件では、住宅手当の待遇差は不合理ではないとされています。 
さらに、同日判決の長澤運輸事件では、住宅手当のほか、家族手当の待遇差についても不合理ではないとされています(こちらについては、定年後の再雇用という事情も考慮された判決です)。
このような経緯もあり、政府が定めている「同一労働同一賃金ガイドライン」では、住宅手当、家族手当についての記載はありません。
しかし、「そのように具体例に該当しない場合についても、 不合理な待遇差の解消等が求められる。このため、各社の労使により、個別具体の事情に応じて待遇の体系について議論していくことが望まれる。」とされています。
 現在、明確な考え方が示されていない手当も含め、各種の手当などについてどのような判断が下されるのか?
 動向に注目です。
  なお、手当の待遇差について、上記の最高裁の判例や同一労働同一賃金ガイドラインの内容をまとめた資料が、厚生労働省から公表されています。
  その部分のリンクを紹介しておきます(こちらのP46~48をご覧ください)。
 <不合理な待遇差解消のための点検・検討マニュアル(業界共通編)第3章>
https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000494539.pdf